「ストレス」と聞くとネガティブなイメージがありますか?
実は人間の身体が正常に動くためには、少しの「ストレス」は必要不可欠です。
しかし、多すぎるとさまざまな悪影響を受けてしまいます。
そして、あまりにもストレスが多いとさまざまな不調や病気を招いてしまいます。
必要不可欠とはいえ、不要なストレスとどう向き合っていけばよいのでしょうか?
ストレスによって不調を招いてしまう仕組みを知っていれば、対処しやすくなるかもしれません。
それでは、ストレスが人間の身体にどのように影響しているのか、ストレスによる悪影響を避けるためになにができるか見ていきましょう。
ストレスとは
ストレスとは、外界から受ける刺激への反応のことで、「ストレス反応」といいます。
その刺激のことを「ストレッサー」といいます。
ですので、「最近、ストレスが多くて…」と言うときに実際に指しているのは「ストレッサー」のことですね。
ストレッサーにはさまざまなものがあります。
- 物理的ストレッサー 温度、湿度、光、音など物理的な刺激
- 化学的ストレッサー 薬品、タバコ、添加物など化学物質による刺激
- 生物的ストレッサー 細菌、花粉、ハウスダスト、睡眠不足など体調の変化によるもの
- 心理社会的ストレッサー 人間関係、精神的苦痛、悩みなど環境や精神的な刺激
これらの刺激がストレス反応として身体のいろいろな面に現れることがあります。
- 身体面
- 心理面
- 行動面
ストレッサーの種類を見ると分かるように、
種類が多様で、同時にいくつものストレッサーを感じ、その度合は人によって異なるため、
その人によって身体に現れるストレス反応もさまざまです。
“仕事はやりがいがあって楽しいし、悩みもない”と言う人でも、
足を揉んでみると、身体はストレスを感じて闘っているかな?と思うこともあります。
ですので、自分にとってはポジティブなことでも、“身体にとってはストレスとなっている”場合もあります。
身体が正常でいるために「ストレス」が必要な理由
冒頭で、少しの「ストレス」は必要不可欠と紹介しました。
どういうことでしょうか?
人間の身体は、自分の意思でコントロールできない交感神経と副交感神経から成る自律神経によって
生命維持に欠かせない機能を調節しています。
おもに、呼吸、心拍、血圧、体温調節、消化、代謝、排泄、生殖などです。
人間の身体は、
「緊張」の交感神経と「リラックス」の副交感神経がシーソーのようにバランスを取ることで身体の各部の機能が正しく機能します。
いくらかのストレッサーがあることで交感神経が優位に働き、その反動で副交感神経も働きます。
ですので、自律神経が正常に働くために、少しの「ストレス」は必要なのです。
ストレスが多いと―
多すぎるストレスは身体を緊張させ続け、「リラックス」の副交感神経を高める隙を与えません。
すると、身体全体が緊張状態になるので、呼吸が浅くなり、血管が収縮します。
つまり、血流が悪くなります。
温かい血液の流れが悪くなるので、身体全体が冷えてきます。
体温が下がると、免疫力が下がります。
実は人間の身体は常にがん細胞と闘っていますが、
健康な時は自分の免疫力でがん細胞をやっつけているので病気になりません。
しかし、免疫力が下がってしまうと闘えなくなるので、がん細胞が増え続けるままになってしまいます。
がんだけでなく、細菌やウイルスなどにも罹患する可能性が高くなります。
免疫力を下げないために
ストレッサーの中にはコントロールできるものもあれば、できないものもあります。
しかし、“なにをストレスと受け取るか”は脳でコントロールできます。
また、自律神経のバランスを整えていくことで免疫力を高めることもできます。